10/13/2009

ビジネスシーンでの女性の心得(その2)

少し古い本ですが、働く女性のバイブルとも言われているビジネス・ゲーム―誰も教えてくれなかった女性の働き方 (光文社知恵の森文庫)
を読みました。
以前読んだ働きウーマン成功のルールは男性からのアドバイス(詳細はこちら)でしたが、本書は女性から女性へのアドバイスです。
本書によると、企業で働くということは、チームスポーツと似ており、その特徴的な仕組みが、ピラミッド型の「命令の鎖」という言葉で表現されています。組織の縦の繋がりを軍隊で「命令の鎖」と呼んでいるそうで、「組織の中では、権威に向かって口応えすることなく、従順に行動しなくてはならない」ということです。
男子は子供の頃から、野球、アメフト、サッカー等でチームスポーツに親しんでおり、ピラミッド型の「命令の鎖」という暗黙のルールを熟知している、それに対して、女子は料理・裁縫・スポーツと言えばもっぱら応援(チアリーディング)することの方が多く、そのルールを学ぶ機会がなかった、従って、男性社会である企業も同様の仕組みで成り立っている為、女性が企業で活躍したいと願うのであれば、ルールを理解し臨むべきである、というのが本書の主張です。
企業社会が男性社会であることは、今も昔も大して変わっていないと思いますので、ルールを理解することは非常に有意義であると賛同します。ルールに従って、どのように振舞うべきか、またどのように自己主張をすべきか、具体的なノウハウが記載されている本です。このようなノウハウ本は、現在ではかなりの数が出版されているので、キャリアを目指す、目指さないに関わらず、女性は社会に出たら早目に読んでおくといいと思いました。
印象的な言葉をいくつか紹介します。
・『スポーツマンが一番トレーニングすることは「負けても必要以上にがっかりしないこと」』
体、技を鍛えると同時に、失敗を成功の糧とするセルフコントロール力も、トレーニングで自然と身に付くということですね。
・『「家庭と仕事の両立」が「女性の問題」と限定されていること自体に、もっと疑問をもつべき』
今でこそ、「ワークライフ・バランス」は全労働者共通の課題であるとの認識が広がってきましたが、まだまだ男性の間では、草食系の一部男子にのみ流行っている気がします。
私自身の経験では、特に出産後は、家庭と仕事は両立せざるを得ない状況に自然となりました。反面、夫はいかに両立するべきかを試行錯誤しているように感じます。夫は子育て・家事に積極的に参加しようとしてくれるタイプですが、世間では「家庭と仕事の両立」を目指す男性に対する目の方が、女性に対するそれよりも厳しいと感じています。
言い換えれば、「女性の問題」と限定されていることに私自身は助けられてもいます。
・著者が薦める賢い自己主張法は『「アサーティブ」であることを学ぶ。』
感じよく自己主張をする方法を身に付けよ、ということ。大人の女性には万国共通に必要な術ではないでしょうか?会話でも、メールでも何かを依頼するときよりも、断らなければいけない時に、さりげなく自身の考えと合わないことを主張しながら、感じよくお断りになる方がいらっしゃいますが、素敵な女性だなぁと惚れ惚れする時があります。

原書のタイトルは「GAMES MOTHER NEVER TAUGHT YOU」-「母親が教えてくれなかったゲーム」といいます。原書がアメリカで出版されたのが1977年。アメリカでは1964年に性別や人種などによる差別を禁止する公民権法第7編が制定された13年後です。日本語訳が出版されたのは、男女雇用機会均等法が制定された1985年から8年後の1993年です。今から16年前ですね。当時のキャリアウーマンの母親達は、企業で働くということの経験がなかった為、娘達にそのノウハウを教えてあげることが出来なかったということです。
でも、自身が経験してきたことを全て娘に伝えることが有意義かどうかは疑問です。それぞれの時代で必要なものは違うし、逆に経験がなくても自分自身で学び、それを娘に教えるべきこともあると思います。インターネットの利便性と危険性はまさにそうだと思います。
娘に教える・教えないという尺度よりも、自分自身が社会の中で楽しく人生を過ごす為に、時代の流れには、常に敏感であり続けたいと思います。

2 件のコメント:

moomin さんのコメント...

そうだよね。受け入れるときよりも、むしろ、お断りするときに、きちんと自分の主張ができるかにいつも悩みます。
kazちゃんがいうように、そういう局面で、さりげなくその人らしい主張ができる人になりたいと、勝間さんの「断る力」という本を読みましたが、私にはなかなか難しい課題^_^;。
でも、「アサーティブなふるまい」というキーワードは私の考え方にすごくよい影響を与えてくれています。
私も、時代の流れを感じられる人になりたいな。そうやって、楽しくたくましく人生を生きる母でありたいですね。

Kazue さんのコメント...

moominちゃん、いつもコメントありがとう。「断る力」は表紙のインパクトが強烈で、何だか恐そうという印象を思ってしまった。未だ読んでません。moominちゃんは断れずに抱え込むタイプかな?私はきっぱり言い過ぎて、角が立つタイプかも^^;私も「アサーティブ」というキーワードで研究したいと思ってます。いい本に出会えたら教えてください。